CASE STUDIES導入事例
PCCW Global Japan株式会社 様グローバル通信事業者が「堂島データセンター」を採用
日本国内でのビジネスの強化と冗長性の確保を実現
PCCW Global様は通信サービスの国際的なリーディングカンパニーとして、多国籍企業やテレコムのパートナー企業、クラウド/アプリケーションプロバイダーに向けた最新のモビリティ、音声、データソリューションを提供しています。5大陸の160カ国以上、3,000以上の都市にまたがるネットワークフットプリントを擁するグローバルなカバレッジと現地のナレッジを組み合わせることで、アフリカ、南北アメリカ、アジア太平洋、ヨーロッパを結ぶ、グローバルかつ最高クラスの接続性を実現しています。こうしたネットワークを生かし、オンデマンドなSDI(Software Defined Interconnection)プラットフォームである「Console Connect」によって統合されたカスタマイズソリューション、接続、アプリケーションを含む総合的な通信サービスポートフォリオを築いています。Console Connectは、シームレスな相互接続を実現するためのあらゆる接続のスイッチングおよびルーティングを完全自動化するグローバルプラットフォームの1つとなっています。
カントリーマネージャー
北崎 博司 様
ビジネスデベロップメントマネージャー
臼井 秀和 様
PCCW Global様は、関西圏を中心とする西日本地域における接続拠点の強化・増強を目的に、NTTスマートコネクトの「堂島データセンター」を契約。2020年9月に運用を開始しました。
導入の背景西日本エリアのビジネス強化と冗長性確保を目的に接続拠点を検討
PCCW Global様は1970年代半ばに日本へ進出し、1990年代から日本国内の通信事業者、サービスプロバイダー、一般企業・官公庁向けにインターネット接続サービスを提供しています。日本国内のPOP(Point Of Presence:接続ポイント)については、これまで東京だけに置かれていました。PCCW Global Japan株式会社にてカントリーマネージャーを務める北崎博司氏は次のように説明します。
「東京には7カ所のPOPを運用していますが、従来は東京にPOPがあればグローバルインターネットアクセスのニーズを満たすことができました。しかし西日本エリアの顧客が増加するにしたがって、大阪にもPOPを設置してほしいという要望が寄せられるようになり、2014年に西日本エリアで初めてのPOPを設置しました。それ以来、大阪のPOPは1拠点のみでしたが、西日本エリアのビジネスを強化していくには十分とは言えません。また、万一の災害発生時の冗長性にも不安があります。これらの課題を解決するために、大阪にさらなるPOPを設置することにしました」
採用のポイント迅速な現地対応と英語対応が可能なサポートに安心感
西日本エリアをカバーする新しい大阪のPOPを設置するにあたり、PCCW Global様は複数のデータセンターを候補に挙げて比較検討を行いました。同社のビジネスデベロップメントマネージャー 臼井 秀和氏は次のように説明します。
「当社がまず注目したのは、大阪の堂島というロケーションです。堂島には主要通信事業者、IX事業者、インターネット接続プロバイダー、コンテンツプロバイダーが密集しており、国内外のお客さまが当社のサービスを快適に利用いただくのに最適なロケーションです。そのため、まずは堂島でデータセンターを運営している事業者をピックアップしました」
堂島に拠点を構えるいくつかのデータセンターについてさらに入念に検討した結果、PCCW Global様が選定したのが、NTTスマートコネクトの「堂島データセンター」でした。
「選定にあたって最も重視したのは、当社とのパートナーシップを長く続けていける事業者かどうかという点でした。当社のような通信事業者にとって、データセンターはビジネスに直結する通信設備を置く重要な場所です。サービスとビジネスの継続性を考えたとき、これは非常に重要なポイントです。データセンターのサービス品質、コストも含めて検討した結果、当社にとって最適なパートナーになり得ると判断したのが、NTTスマートコネクトでした」(北崎氏)
さらに、NTTスマートコネクトの堂島データセンターが提供する手厚いサポートも、選定の上で重要な点であったといいます。
「当社の日本法人の事業拠点は東京にしかなく、普段はリモートで運用管理を行っています。NTTスマートコネクトはデータセンターの現地対応が必要になった際に、当社に代わって迅速に対応してくれます。また、多くのお客さまと当社自身がグローバル企業ということもあり、日本語だけでなく英語のサポートも必要になりますが、NTTスマートコネクトはこうした要件をすべて満たすことができました。さらに西日本エリアや関西地区のスペシャリストとしてビジネスに関するさまざまなアドバイスを提供してくれました」(臼井氏)
導入効果顧客の災害対策や事業継続に貢献できる接続拠点を確保
PCCW Global様が堂島データセンターの利用を決めたのは、2019年秋のことです。そこから導入・構築作業を進めましたが、新型コロナウイルス感染症の影響もあってスケジュールが後ろ倒しになり、実運用を開始したのは2020年10月からです。
「堂島データセンターは、当社が所有する自律システム(Autonomous System)に接続するIPトランジットサービスを提供するための重要拠点として位置づけ、運用を開始しました。また、クラウドサービス事業者と接続するクラウドコネクトサービスを提供開始しています。これらのサービスを皮切りに、堂島というロケーションの利点を活かし、さまざまなサービスの提供を行っています」(北崎氏)
運用はまだ開始したばかりですが、PCCW Global様ではすでに堂島センターのメリットを実感しているといいます。
「従来、大阪のPOPは1拠点だけでしたので、堂島データセンターに拠点を構えたことで冗長性の確保とキャパシティの拡大というメリットが得られました。冗長性の面では、今まで東京のPOPを利用していたお客さまに対して大阪の利用もお勧めし、災害対策、事業継続計画に役立てていただけるようになったことも効果の1つでしょう。堂島は戦略的な立地であり、インターネット接続が集中する環境とNTTスマートコネクトとの協業による導入効果に期待しています」(臼井氏)
今後の展望テレワークの時代で企業を支えるネットワークサービスを提供する
PCCW Global様では現在、グローバル通信事業者としてPOPの拡大を図るため、またさまざまなコンソーシアムの一員として海底ケーブルへの投資と敷設に積極的な活動を行っています。
「コロナ禍によってテレワーク/リモートワークの利用が増え、当社のサービスを利用する事業者や企業のネットワークの使い方が変わってきました。そうしたお客さまが利用する基幹ネットワークを担う通信事業者として、今後も継続的に専用線サービス、IPサービスを強化していきます。また、SDI(Software-defined Interconnection:ソフトウェア定義インターコネクション)を通じたダイレクトなクラウド接続などのサービスもさらに拡販していく予定です」(北崎氏)
堂島データセンターで提供するサービスも順次増やしていくといいます。
「今後は堂島データセンターを西日本エリアにおけるメインサイトと位置づけ、サービスを拡充していきたいと考えています。堂島データセンターのPOPの利用が増えるほどネットワークの接続性が重要性を増していきますが、NTTスマートコネクトが堂島の各データセンター間を低遅延でダイレクトに接続する『堂島コネクト(メディアコネクト光ケーブリングサービス)』を用意していることもあり、当社としてもお客さまに高品質な接続環境を継続して提供することが可能だと考えています」(臼井氏)
NTTスマートコネクトの堂島データセンターは今後も、PCCW Global様が西日本エリアに展開するビジネスを支えていきます。
※当記事に記載されている内容は、2020年12月現在のものです。